スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2014年06月22日(日曜日)のことだ

 ふくよかで奥深い醤油のうま味と、もっちりとした手打ち太麺の歯ざわり。
 あのなんとも言えない味と香りと食感が、前ぶれもなくふつふつと湧いてきて、振り払っても他のことに集中しても意識の深いところから立ち去らない。あー、はら減った。
 我慢できなかったのだ。どうにもこうにも「侍の中華ソバ」を食べたくなって、仁保に車を走らせた。
 正午にはまだ30分ほど時間があったろう。駐車場に車を滑り込ませたとき、軽い違和感を覚えた。すんなり停められたのである。おかしい。いつもなら、2~30分待ちは覚悟しなければならない時間帯だ。
 店に入ると、席が空いていた。とりあえず座る。
 お世辞にも綺麗と呼べない店内は、間違いなく「侍」である。壁にメニューが貼りだしてある。いっとき外していたメニューの掲示をまた始めたようだ。その内容に変化はない。食いたいものは決まっていたが、文字を目で追う。 
 そうこうしているうちに見慣れない店員さんが注文を取りに来た。中華ソバ元味の大盛りに煮玉子追加でオーダーする。いわゆる「いつものやつ」だ。
 店員さんが復唱し、厨房の大将へ注文を伝えた。それを受ける大将の声。
 あれっ、なにかおかしい。絶対なにかが違っている。僕は腰を浮かせて厨房を覗き込む。
 大将、少し肥えた? そんなに若かったっけ――  ここに至ってやっと僕は気がついた。厨房に立っていたのは、僕の知る大将とはまったくの別人だったのだ。
 しばらくして、出来上がった中華ソバが運ばれてきた。盛り付けやスープの色は同じだ。でも香りは立っていない。箸を取って食べる。スープを飲んで、麺をすする。似ている。たしかに似てはいるけれど、僕が抱えているこれは、何度もかよって何度も食った「侍の中華ソバ」ではない。少し残した。この店では初めてのことだ。

 家に帰り、ネットで調べてみた。
 どうやら大将が店を手放してしまったようだ。経営者が替わっている。店の名前も、醤油をベースとした味の方向性も同じ。たぶん以前と同じく化学調味料も使っていない。「侍の中華ソバ」をそのまま継承しようとしているようだ。

 さて、どうしたものか。もう一度食べに行ってみようかとも思うが、足が向くかどうか。



 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

一度、そういう経験をすると、次に行くとき、心の中にあるのは「期待」ではないよね。
おそらくあるのは「確認」という言葉であって、食べにいくという「作業」になるでしょう。

それでも、行く?
いやいや、しばらく行かず、他の人の意見を待つのもひとつの手でしょうか。。

で、次はかならず写真をお願いします。

No title

しばらく行かない間にそんな事になってたとは。(驚
豚骨の店が多い中で、貴重な旨い醤油の店だったんですけどね・・・。
気付いた人が増えてきて、客が減ってきてるんでしょうか?
作る人が変わると、同じ作り方でも同じ物ができない・・・、貴重なものだったと無くなって気付くんですよね。

No title

>Tさん
防府の新田に「今里」という中華ソバ屋があるんよ。ここも醤油ベースでなかなか美味い。替え玉が出来るし、店員さんに活気がある。侍なき今、今里を僕のラーメンホームにしようと思っておりまする。
まだ食ったことがないなら、一度行ってみなされ。なかなかぞ。
そうそう、僕の代わりに写真を撮ってきておくれよ。

>ろくばんさん
そうなんですよ。うっかり無沙汰をしているうちに、とんでもないことになってしまいました。あのもちもちの手打ち麺と、思わず飲み干してしまうスープはもう食えないのでしょう。なんともやり切れない気分です。ネットの情報では、最終日には行列ができたようです。知らなかった。後悔先に立たずです。
T氏へのレスでも書きましたが、防府の「今里」美味いですよ。ぜひ一度どうぞ。
プロフィール

オカヒロ

Author:オカヒロ
使い分けるのが面倒になってきたので、これからは本名でいこうと思う。調べてみたところ、非常に世帯数の少ない姓のようである。そのまま漢字で書いてしまうのもあれだから、カタカナにしておく。

FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2カウンター
最新コメント
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。